遺言書に有効期限はあるの?|行政書士が分かりやすく解説

今回のテーマは「遺言書に有効期限はあるのか?」です。

だいぶ前に遺言書を作成したけど有効期限はあるのか。

また相続人が遺言書を発見したが作成日からかなりの年月が経っている場合に、その遺言書は有効なのでしょうか。

解説していきます。

遺言書の有効期限

結論から説明すると

「遺言書に期限はありません」

何十年前に作成されたものでも有効な遺言書になります。

遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」がありますがどれも有効期限はありません。

公正証書遺言の保管期間

公正証書遺言については原本は「公証役場」で保管してくれます。

この公証役場での保管期間はどれくらいなのでしょうか。

公正証書遺言の保管期間

  • 遺言者の死亡後50年
  • 証書作成後140年
  • 遺言者の生後170年

このように定められています。

かなり長い期間保管されていることが分かります。

自筆証書遺言保管制度(法務局)の保管期間

「自筆証書遺言」は法務局で保管してくれる制度があります。

これを「自筆証書遺言書保管制度」といいます。

自筆証書遺言書保管制度の保管期間

  • 遺言者の死亡後50年(原本)
  • 遺言者死亡後150年(画像データ)

こちらもかなり長く保管してくれる事が分かります。

長期間見直しされていない遺言書のデメリット

遺言書は1回作成してしまえば何年経っても遺言書として有効ではありますがデメリットもあります。

相続人が変わってしまう可能性

遺言書を作成してから何十年も経過すると「推定相続人」に変化がある可能性があります。

遺言書に記載した相続人が先に亡くなってしまったりする事もあります。

せっかく遺言書を作成したのに相続する人がいない事も考えられます。

財産の状況が変わっている

何十年も経つと遺言書に記載した財産の内容に変化がある場合があります。

対象にしていた不動産を売却していたり、銀行の預貯金の額にも変化が生じると思います。

作成した当時は家族に平等に分けたつもりでも実際に遺言書の内容で相続すると相続人間で著しく偏りが出る可能性があります。

定期的な見直しが必要

定期的に内容の見直しをすることが1番良いですが

少なくとも相続人関係・財産関係に変化があった時は遺言書の見直しをすることが大切です。

遺産分割協議をして分ける

作成してから長期間経過した遺言書も有効です。

また遺言書が残されている時は遺言書の内容通りに分けるのが原則です。

しかし長期間経過した遺言書は相続人・財産に変化があることが多いです。

遺言書の内容が現在の状況と比べて異なる点が多い時は「相続人全員の合意」があれば遺産分割協議をして分割することができます。

「遺産分割協議書」に遺言書は残されているが作成された当時と状況が変わっているため相続人全員の合意で遺産分割をした旨を記載しておきましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。

どの方式の遺言書も有効期限はありません。

しかし長期間、見直ししないと相続人・財産の関係に変化があり逆に相続人が困惑してしまいます。

定期的なに直しがベストですが、そこまでしないにしても相続人・財産内容に変化が生じた時は遺言書の見直しをおすすめします。

参考にしてください。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
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