相続人と連絡が取れない時の解決法|行政書士が分かりやすく説明
被相続人がなくなり「遺産分割協議」をする時は相続人全員で行う必要があります。
- 相続人の所在が分からない。
- 連絡しても返事がない
- 相続人が行方不明
これらの理由から「遺産分割協議」ができない時はどうすればいいのでしょうか。
遺産分割協議の有効性
被相続人の戸籍を調べて相続人はわかったけど冒頭で紹介した理由により連絡がとれない為、他の相続人のみで「遺産分割協議」を行った場合に有効になるのでしょうか。
「遺産分割協議書」は相続人全員で協議して署名・捺印(実印)・印鑑登録証明書が無いと有効になりません。
不動産の名義変更・銀行口座の相続手続をする時に「法務局や銀行は相続人が誰か」なんて分からないだろうと思っていませんか。
被相続人の「出生~死亡まで」の戸籍謄本の提出が必要になりますので「遺産分割協議書」の相続人が足らなければすぐにわかります。
遺産分割協議の進め方
ここではケース別に対処方法をご紹介します。
相続人の所在がわからない
【例】
被相続人の戸籍を調べたら実は再婚で先妻との間に子供がいた場合。
この場合は先妻との間の子供も相続人になります。
「遺産分割協議」をする時は先妻の子供との協議も必要になってきます。
そんな時は戸籍から判明した「先妻との子供」の戸籍を追っていきます。
現在の最新の戸籍謄本までたどりついたら「戸籍の附票」を請求します。
戸籍のある自治体の中での住所が記載されています。
住所の履歴書みたいなものです。
これで現在の住所を調べる事ができます。
住所が分かれば「手紙」などで相続人に連絡をとると良いでしょう。
連絡しても返事がない・無視される
相続人の存在・所在地は把握しているが連絡をしても反応がない場合はどうしたらよいのでしょうか。
説得を試みる
「手紙」「電話」「訪問」などの連絡の取れる方法でこのまま放置する事のデメリットを伝えたり、「今回の相続で5000万円の相続財産がありあなたは1/4の相続権を持っています」
「このまま連絡をいただけないと家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。そのような事はしたくありませんのでご連絡をください」など
何とか遺産分割協議に参加してもらえるように説得してみましょう。
それでも連絡がない。
こうなってしまうと家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てて話し合う事になります。
調停でもまとまらない時は「遺産分割審判」になり家庭裁判所が分割の方法を決めます。
相続人が行方不明
相続人の住所を特定したが現在はそこにす住んでおらず存在自体も確認できない時もあります。
そんな時の対処法です。
不在者財産管理人を選任する。
行方不明の時は家庭裁判所に「不在者財産管理人」を選任してもらいます。
「不在者財産管理人」は行方不明の相続人の財産を管理する人です。
行方不明の相続人に代わって「遺産分割協議」に参加してもらいます。
失踪宣告をする
生存している事実もないし、亡くなっている可能性が高い時は「失踪宣告」をします。
失踪宣告がみとめられれば対象の相続人は「死亡した」とみなされ遺産分割協議をする事ができます。
そのまま放置するとどうなる?
ご説明した様に面倒な事が多いです。
「面倒だから放置」するとどんなデメリットがあるのでしょうか。
銀行の預貯金を解約できない。
銀行の解約・払戻しは相続人全員で行なうのが原則です。
遺産分割協議で全員の合意が無いと手続きができません。
不動産の売却ができない。
不動産は被相続人がなくなった時点で法的には相続人全員で「共有」している状態です。
この「共有」の状態で相続不動産を売却する場合は「共有者全員」の同意が必要になります。
連絡の取れない相続人の同意も取らないと「売却」する事ができません。
遺言書がある時は?
被相続人の方が「遺言書」を作成しており、その内容が連絡の取れない相続人について何も記載がない時は「遺産分割協議」をする必要はありませんので「遺言書」の通りに相続手続をすれば大丈夫です。
ここでも「遺言書」の大切さが分かりますよね。
最後に
いかがでしたでしょうか?
相続人と連絡がとれないと、戸籍を読み取って住所を確定させるなど手続きが煩雑になります。
困った時は専門家へ相談する事をおすすめします。
是非、参考にしてください。
投稿者プロフィール
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名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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