公正証書遺言作成時の証人とは|行政書士が分かりやすく説明
今回のテーマは公正証書遺言を作成する時に必要な「2名以上の証人」について解説していきます。
参考にしてください。
遺言書の種類
遺言書には下記の主に以下の3種類になります。
遺言書の種類
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
この中で1番信憑性があり確実なのが「公正証書遺言」です。
公証人に作成してもらう遺言書で「無効」になる事もほぼありません。
作成するのに1番お金はかかりますが間違いにない遺言書になります。
この「公正証書遺言」を作成する時は原則は遺言者本人が公証役場に出向く必要があり、さらに「2名以上の証人」が必要になります。
何故証人が必要なのか
公証役場での作成当日は「公証人」・「遺言者」・「証人2名以上」の最低でも4人が立ち会って作成されます。
証人が必要な理由は主に以下の理由によります。
証人が必要な理由
- 遺言者本人で間違いないかの確認
- 遺言の内容が遺言者本人に意思によるものであるかの確認
- 遺言者が遺言作成能力を有しているかの確認
(認知症などによる作成能力の確認)
これらの内容を公証人・証人により間違いない事を確認する為に証人が必要になります。
確実な手続きを踏んで作成されている証になります。
証人になる為の要件は
では「証人」は誰でもなれるのでしょうか。
以下に該当する人は証人になる事ができません。
証人になれない人
- 未成年者
- 推定相続人・受遺者またはこれらの配偶者及び直系血族
※「受遺者」とは遺贈によって財産を受ける人のこと。 - 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
上記の人は「証人」になる事はできません。
その他には特に資格は必要ありません。
誰に証人を頼めば良いのか
基本的に「証人」に特別な資格は必要ありません。
では一般的には誰に「証人」になってもらうのでしょうか。
1.遺言者の知り合いに頼む
遺言者本人の知人の中で信頼のできる人にお願いするパターンです。
ただし注意して欲しいのは「証人」になると遺言の内容・遺言者の財産状況が「証人」に分かってしまいます。
自分の友人・知人に遺言内容・自身の財産状況を知られるのに抵抗がある場合は避けた方が良いでしょう。
2.専門家に依頼する
行政書士・司法書士・弁護士・税理士などに依頼するパターンです。
遺言書の作成をサポートしてもらった士業がいる場合は、その士業の先生に「証人」になってもらう事ができます。
また事務所によっては遺言書の作成の依頼を受けていなくても「証人のみ」受けてくれる先生もいます。
士業に依頼した場合も遺言内容・自身の財産状況などを知られてしまいますが「守秘義務」が課せられていますので安心して依頼する事ができます。
ただし友人・知人にお願いするのと違って報酬が発生します。
事務所によって金額はさまざまですが、そんなに高額ではありませんので検討してみると良いと思います。
3.公証役場にお願いする
もしご自身で「証人」を見つける事が出来ない時は「公証役場」にお願いする事ができます。
公証役場に見つけてもらう場合も1人あたりにお金がかかってきます。
公証役場で見つけてもらう場合は士業の先生(守秘義務があるので)が選ばれる事が一般的かと思います。
最後に
いかがでしたか。
公正証書遺言作成時の「証人」は特別な資格は必要ありません。
ただし友人・知人に依頼すると遺言内容・財産状況が知られてしまいますので、その点は注意が必要です。
士業に依頼すれば報酬は多少かかりますが守秘義務がありますので安心できます。
特に士業のサポートを受けて遺言書を作成する時などはサポートを受けた士業に「証人」になってもらうと良いでしょう。
選び方は遺言者の置かれている状況によると思います。
是非、参考にしてください。
投稿者プロフィール
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名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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