パートナーシップ合意契約書とは|行政書士が分かりやすく解説

今回は「同性パートナーシップ合意契約書」について解説していきます。

参考にしてください。

パートナーシップ合意契約書

「パートナーシップ合意契約書」はLGBTの方々に限ったものではありませんが今回はLBGTの方々に向けた内容になります。

「パートナーシップ合意契約書」は準婚姻契約書とも呼ばれます。

法律婚の配偶者の権利義務に近い内容を契約により発生させると考えてください。

残念ながら現在、日本では「同性婚」は認められていません。

よく問題になるのがパートナーが入院した時です。

  • 面会
  • 病状の説明
  • 医療行為への同意

病院側にいくら自分が同姓のパートナーだと主張しても本当にパートナーかどうかを判断する事ができません。

そんな時に準婚姻契約書とも呼ばれている「パートナーシップ合意契約書」を提示する事で同性のパートナーとして認めてもらう事ができ「面会」「病状の説明」「医療行為への同意」が可能になります。
※病院により対応に違いがあるかもしれません。

残念ながら現状、同性のパートナーは何もしなければ法律上は家族でも親族でもありません。

そこで法律婚(配偶者)と近い権利義務を得る為に「パートナーシップ合意契約書」が有効になってきます。

住宅ローン・生命保険について

「パートナーシップ合意契約書」を公正証書で作成して「任意後見契約書」を合わせる事で住宅ローンを組んだり生命保険の加入についても可能になります。
※ローン会社や保険会社のよって対応が違う可能性がありますので検討中の方は各会社に確認してください。

「任意後見契約書」は必ず公正証書で作成しなければなりません。

記載内容

では「パートナーシップ合意契約書」にはどんな事を記載するのでしょうか。

法律上、記載事項に決まりはありません。

基本的には内容は自由です。

主に記載する内容は以下になります。

パートナーシップ合意契約書への主な記載項目

  • 婚姻の意思の確認
  • 第三者との婚姻の禁止(浮気をしない)
  • 同居、協力、扶養の義務
  • 婚姻費用の分担
  • 日常生活における連帯責任
  • 財産に関する定め
  • 医療に関する同意、面会など
  • 子供の養育など
  • 契約解除について(お別れする時)

上記の項目を記載する事で法律婚の権利義務に近い効力を発生させる事ができます。

「相続」については認められていませんので別途「公正証書遺言」を作成する必要があります。

婚姻意思の確認

当事者双方が自由な意思により婚姻する事に合意している内容を記載します。

第三者との婚姻の禁止(浮気をしない)

浮気をしてはいけないという内容や「パートナーシップ合意契約書」は法律婚ではないため、第三者と法律婚をする事ができてしまいますので禁止する内容を記載します。

同居・協力・扶養の義務

これは法律婚に準じた契約書ですので「同居する事」「互いに協力する事」「互いに扶養する事」を記載します。

婚姻費用の分担

「婚姻費用」とはお互いが生活する上で必要になってくる費用の事です。

例えば

  • 家賃
  • 光熱費
  • 食費
  • 医療費

これらの費用は当事者双方で分担する内容です。

日常生活における連帯責任

「パートナーシップ合意契約書」に記載する時は「日常家事」という言い方をします。

これは「光熱費」などの支払い義務が契約者だけではなく連帯して責任を負うことです。

財産に関する定め

「特有財産」「共有財産」についての取決めをします。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

特有財産・共有財産とは|行政書士が分かりやすく説明

財産分与での特有財産・共有財産の違いや財産分与の対象となる財産について。 また特有財産・共有財産が混在するケースについて解説しています。

上記の記事の財産分与の内容については法律婚と「パートナーシップ合意契約書」の解除の場合は異なります。
その点はご了承ください。

医療に関する同意、面会など

これは大切です。

これを記載しておかないと大切なパートナーが入院した時に

  • 面会
  • 病状の説明
  • 医療行為の同意

上記の内容をパートナーに権利を与えたり委任する内容を記載します。

子供の養育など

当事者のどちらかに子供がいる時や養子を迎えた時などの子供に関する取り決めです。

子供の教育監護はお互いに協力して行う内容です。

契約解除(お別れする)の内容

相手が「死亡」した時は当然契約解除になります。

また当事者双方が合意をして契約を解除できる事(離婚のイメージ)などを記載します。

最後に

いかがでしたでしょうか。

「パートナーシップ合意契約書」について説明しました。

法律婚に近い内容を契約により締結する事ができます。

「任意後見契約」も作成する事でできる事の幅が広がります。

作成を検討しているカップルは是非、参考にしてください。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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