遺言書の付言事項とは|行政書士が分かりやすく説明

遺言書を作成する時に、遺言内容とは別に「付言事項」を記載する事ができます。

この「付言事項」とは、遺言の内容とは別に遺言者の家族への感謝の気持ち等を書いたりする事です。

付言事項の法的効力

「付言事項」は遺言書の中に記載できますが「遺言内容」とは違い法的効果はありません。

基本的には「家族への感謝の気持ち」等を記載します。

ただし「付言事項」で記載する内容によっては相続人間でトラブルの原因になる事がありますので注意が必要です。

【例】家族には感謝しています。
この遺言が私の死後、速やかに執行され末永く家族仲良く暮らしてくれる事を願います。

このように、家族への感謝や希望等を書く事ができます。

書かない方が良い付言事項

付言事項は法的効果はなく、感謝・希望などを書きますので内容は基本的には自由ですが書かない方が良い「付言事項」もあります。

それは「特定の相続人を否定するような内容」です。

【例】長男は生前、迷惑ばかりかけて私の面倒もみなかった。
長女は私の事を気にかけてくれ良く面倒をみてくてたので長男よりも長女に多くの財産を残すことにした。

このような内容ですと長男の方は「遺言内容」に納得せずにトラブルになったりする事があります。

この場合ですと、長男の事には触れずに

長女は私の事を気にかけてくれ良く面倒をみてくれたので長女に多めに財産を残すことにした。

このように記載した方が良いと思います。

ただし、長男を否定する内容でも記載する事自体は可能です。

付言事項によく記載される内容

  1. 【感謝の気持ち】

    これが1番多いと思います。
    「家族」「友人」「お世話になった人」に対しての感謝の気持ちを書きます。
  2. 【相続分に偏りがある場合】

    各相続分に偏りがある場合は、なぜこのような分け方をしたのかを書きます。
  3. 【遺留分を侵害している場合】

    相続人には「遺留分」といって最低取り分があります。
    特定の相続人に相続分が無い時などに「なぜこの内容にしたのか」また「遺留分を侵害しているが遺留分の請求をしてほしくない」などを書くことがあります。
    「遺留分」について記載するかどうかは慎重に考えた方が良いです。

※「遺留分」について詳しくは下記をクリック

最後に

「付言事項」は遺言者から相続人への最後のメッセージになります。

是非、相続人の方達が「円満」に「笑顔」で遺言の内容を執行できる「付言事項」を書いてあげてくださいね。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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