公正証書遺言書は再発行できる?|行政書士が分かりやすく解説

今回は公正証書遺言の再発行について説明したいと思います。
紛失してしまって困っている方は是非、参考にしてください。
原本・正本・謄本の違い
公正証書遺言には「原本」「正本」「謄本」があります。
どう違うのでしょうか。
以下でご説明します。
原本
原本とは、その名の通り原本です。
遺言者・公証人・証人2名の署名・押印した原本です。
この原本は公証役場で保管されており遺言者本人や相続人に渡される事はありません。
正本
正本と原本のコピーの事です。
公証人の認証があり、原本と同じ効果があります。
相続人や遺言執行者に渡され正本があれば相続手続を行うことができます。
正本を紛失してしまった場合でも原本が公証役場で保管されていますので再発行する事ができます。
謄本
謄本も原本のコピーになります。
ただし、正本と違いあくまで原本のコピーになります。
正本と同様の法的効果はありません。
ほとんどの相続手続で謄本を使用できますが中には「正本」でないとできない場合もあります。
相続の手続で謄本が使用できるかは各手続する機関に確認をしてください。
こちらも再発行が可能です。
再発行できる人
公正証書遺言を紛失してしまって再発行する時は遺言者が生存している時と亡くなってからでは取扱いが変わってきます。
遺言者が生存している場合
遺言者が生存中は遺言者本人以外は再発行することができません。
相続人や利害関係者でも再発行はできません。
ただし、生存中であっても入院していて動けない時は代理人に委任して再発行することは可能です。
遺言者が亡くなったあと
遺言者が亡くなったあとの再発行は以下の人は再発行をすることができます。
- 相続人
- 受遺者
- 遺言執行者
- 委任を受けた代理人
再発行手続
作成した公証役場を調べる
再発行できるのは遺言書を作成した公証役場に請求しなければなりません。
どこの公証役場で作成したか分からない時は「遺言書検索システム」を用いて、どこの公証役場で作成したか調べてもらう事ができます。
遺言書検索システムは全国どこの公証役場でもできます。
遺言書検索システムについては以下の記事をご覧ください。
作成した公証役場が分かったら再発行の申請をしていきます。
必要書類
遺言者本人が請求する場合
遺言者本人が請求する場合に必要な書類は以下になります。
必要書類(遺言者本人)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)または、実印と印鑑証明書
- 委任状(代理人請求の場合)
- 代理人の本人確認書類
遺言者の死亡後に利害関係人が請求する場合
遺言者の死亡後に以下に該当する人が請求する時の必要書類です。
- 相続人
- 受遺者
- 遺言執行者
必要書類(利害関係人)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード)または実印、印鑑証明
上記の書類に加えて
- 遺言者が死亡した事実の分かる書類(除籍謄本など)
- 請求する人が相続人等である証明する書類(戸籍謄本など)
- 委任状(代理人申請の場合)
- 代理人の本人確認書類
これらの書類を揃えて作成した公証役場で再発行手続をしてください。
再発行手続をした当日に作成した公証人または後任の公証人がいる場合は原則、当日再発行できます。
公証人が出張等でいない場合は後日になります。
※必要書類、再発行までの日数については公証役場によって異なるかもしれませんので確認してください。
手数料
再発行する時は1枚あたり250円の手数料がかかります。
最後に
いかがでしたか。
今回は公正証書遺言の再発行についてご説明しました。
遺言者本人や相続人の方が紛失した場合でも再発行できますので安心してください。
行政書士・弁護士・司法書士などの専門家も代理人で再発行手続をしてくれますのでお困りでしたらご相談ください。
投稿者プロフィール

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