被相続人の財産の調査方法|行政書士が分かりやすく説明
被相続人の方がお亡くなりになると相続財産を調査しなくてはなりません。
相続財産を調査する理由としては
- 「遺産分割協議」を行う時に必要
- 「相続放棄」をするかどうかの判断
- 相続税の申告が必要がどうかの判断
ここでは「プラスの財産」の調査方法について、ご説明します。
「マイナスの財産」の調査方法については下記をクリック
是非、参考にしてみてください。
プラスの財産の調査方法
プラスの財産といっても様々な財産があります。
代表的な財産としては
- 不動産(土地・建物)
- 銀行の預貯金
- 有価証券(株・投資信託)
それぞれについて調査方法をご説明します。
不動産
被相続人の方が不動産を所有していた場合の調査方法ですが、被相続人の方が所有していた不動産を一括して調べる方法はありません。
アナログ的に調べていくしかありません。
調査の手掛かりとなる資料
- 固定資産税納税通知書
- 登記済権利書
- 銀行との取引記録 など
✅ 上記資料の中から不動産の地番・家屋番号を特定します。
だだし「固定資産税納税通知書」は固定資産税の課税される不動産しか分かりません。
市役所などで「名寄帳」を確認して課税対象の不動産以外の不動産を探す方法もあります。
(名寄帳は自治体ごとで管理されているので申請した自治体以外の不動産については情報はでてきません。)
被相続人の方が以前に○○市に山林があるんだよ。
なんて言ってた記憶があれば、その自治体で「名寄帳」を申請すると見つかったりもします。
※自分自身がそうでした。(父親が、すごい田舎の山の一部に固定資産税の課税されない土地を所有していました。)
上記の様に非常にアナログな方法で調査をしていきますので、どうしても漏れが出てくる可能性はあります。
✅ 不動産の「地番」「家屋番号」が特定できたら次は法務局に行って「全部事項証明書」(登記簿謄本)を取得します。
「全部事項証明書」では
- 不動産の所有者の情報(共有など)
- 対象の不動産の抵当権の有無
これらが確認できます。
✅ 次は特定した不動産の評価額を調査します。
「不動産の評価額」の算定方法は4種類あります。
- 固定資産税評価額
- 路線価方式
- 倍率方式
- 実勢価額
目的 | 評価方法 |
遺産分割書の作成 | ・固定資産税評価額 ・路線価 ・倍率方式 ・実勢価額 上記の中から相続人の協議により決定する。 |
相続税の申告 | ・土地 路線価方式(倍率方式) ・建物 固定資産税評価額 |
上記の様に目的により評価方法が変わります。
それぞれの評価方法の簡単な説明は以下になります。
評価方法 | 内容 |
固定資産税評価額 | 「固定資産税納税通知書」「固定資産税評価証明書」に記載の固定資産税を決める為の評価額 |
路線価方式 | 国税庁が決めている「路線価」から算出する。 |
倍率方式 | 「路線価」が決まっていない地域は「固定資産税評価額」に一定の倍率をかけて算出する。 |
実勢価額 | 実際に取引される価格(専門家に評価を依頼する。) |
預貯金の調査方法
預貯金の調査方法についてです。
こちらも不動産同様にアナログ的に探していきます。
預貯金調査の手掛かりになる資料
- 通帳、カード
- 金融機関の販促物
- 金融機関からの郵送物
- スマホ、パソコンなど
金融機関の販促物(銀行のポケットティッシュなど)があれば口座がある可能性があります。
また、通帳などがなくスマホで取引しているケースも増えてきていますのでスマホ、パソコン等も調べた方が良いです。
見つかった金融機関に連絡をして被相続人のお亡くなりになった日付の「残高証明書」を請求する。
被相続人のお亡くなりになった日付の「残高証明書」がポイントになります。
有価証券の調査方法
有価証券の調査の手掛かりとなる資料
- 証券会社の販促物
- 株券
- 証券会社からの郵送物
- スマホ・パソコン
有価証券の調査方法は基本的には預貯金の調査方法と同じです。
この時に「残高証明書」は被相続人のお亡くなりになった日付になります。
また、有価証券の場合は「証券保管振替機構」(ほふり)に開示請求をする事で被相続人が利用していた証券会社を特定できます。
詳しくは下記をクリック
それぞれの「評価額」「残高証明書」で財産が確定したら「財産目録」を作成して相続人間で協議をしていく流れになります。
良かったら参考にしてください。
投稿者プロフィール
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名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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