離婚協議書に記載する清算条項とは|行政書士が分かりやすく説明

離婚協議書について調べていると「清算条項」というものが出てきます。

今回は「清算条項」とは何なのかをご説明したいと思います。

清算条項とは

「清算条項」とは離婚協議書に記載した内容以外の事は後から請求できなくなる事です。

後から紛争が蒸し返す事を予防するために記載します。

記載する場合は離婚協議書の最後に記載します。

清算条項の記載例

1 甲及び乙は、以上をもって本件離婚に関する一切を解決したものとし、本協議書に定めるもののほかは、今後、財産分与、慰謝料等の名目を問わず、互いに金銭その他の請求をしない。

早く離婚したかったから適当に離婚協議書を作成してしまったけど、やっぱり財産分与をやり直したいと思っても基本的にはできません。

「清算条項」は少しの記載ですが非常に大きな意味をもちます。

財産分与の請求は離婚成立から2年・慰謝料は離婚成立から3年の請求期間がありますが「清算条項」の記載があると期間に関係なく請求する事は基本的にできません。

清算条項を記載しないとどうなる?

「清算条項」を記載しない離婚協議書も作成できます。

この場合は「財産分与」「慰謝料」等の請求できる期間内に請求があれば協議をして決めていくことになります。

清算条項を記載する時の注意点

ここでは「清算条項」を記載する前に確認して欲しい事・注意して欲しい事を説明します。

夫婦間でのお金の貸し借り

「清算条項」を記載してしまうと「債券債務」についてもなかった事になってしまいます。

【例】

夫から妻へ100万円を貸していた。

この貸し借りの精算をせずに離婚協議書に「清算条項」を入れた。

この場合は「清算条項」によって当事者双方は協議書に記載されている内容以外は請求できなくなるので夫は100万円を請求する事ができなくなります。

「離婚協議書」を作成の際は夫婦間でのお金のやり取りは確実に清算しておいてください。

まだ決めていない事がある場合

離婚協議書には協議して決めた様々な内容を記載します。

例えば「慰謝料」については、まだ話合いが必要なのでその他の部分は作成してしまおう。

そう考えて「慰謝料」以外を記載したがその事を忘れて作成してしまった。

多くの人は当事者で作成する時はネットからテンプレートをダウンロードすると思います。

テンプレートには「清算条項」が記載された状態になっている場合があります。

その事に気づかずに作成してしまうと、その後「慰謝料」の請求はできなくなってしまいます。

決めた内容が確実に記載されているか確認

上記は【例】としてあげましたが、簡単にいうと「清算条項」を記載する事によってそこに記載のない事に関しては何もできなくなります。

例として「慰謝料」の記載忘れをあげましたがその他の事についても基本的に請求できなくなります。

「離婚協議書」を作成する時は何度もチェックし決めた内容は確実に正確に記載してください。

確実にチェックして作成すれば「清算条項」はその後の紛争を防止しますので非常に有効なものになります。

最後に

いかがでしたか?

「清算条項」はしっかりと活用すれば非常に有効です。

ただしご説明した通り早く離婚したいからなどの理由から適当な内容で作成してしまうと後から変更はできません。

「清算条項」の事に限らず

「離婚協議書」は法的に有効な文章ですし「離婚公正証書」は法的効果と強制力もあります。

非常に大切な文章になりますので安易に作成せずに当事者双方でしっかりと協議して作成してください。

「清算条項」の意味が分からなかった方は是非、参考にしてください。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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