胎児と相続について|行政書士が分かりやすく説明
今回は「胎児」の相続について解説していきます。
参考にしてください。
胎児に相続権はあるのか
父親が死亡した時に母親のお腹の中にいる胎児に相続権はあるのでしょうか。
死産の場合は相続権はありません。
生きて生まれてきた場合は法定相続人として相続権があります。
従って生きて生まれてきた場合は父親の遺産を相続する事ができます。
遺言書で胎児に相続させる事もできる
父親が胎児に対して遺言書で財産を渡す事もできます。
通常、遺言書で財産を渡す人を指定する時は「続柄」・「生年月日」・「氏名」などで渡す人を特定します。
しかし胎児は「生年月日」も「氏名」もありません。
遺言書へどの様に記載して胎児を特定するのでしょうか。
遺言書での胎児の記載方法
通常は「私は、私の所有する不動産を、長男○○○○(平成○○年〇月〇日生)に相続させる」
このように記載します。
胎児に相続させる場合は
このように記載して胎児を特定させます。
遺言で指定した胎児が死産だった時
胎児は「生きて生まれてきたら」相続の対象になります。
遺言書で指定された胎児が死産だった時は胎児へ対しての部分は無効になります。
胎児が相続するはずだった財産は他の相続人間での遺産分割協議によって取得する人を決めます。
予備的遺言の活用
予備的遺言とは遺言書で指定した人がすでに亡くなっていた場合に備えて次に相続する人を指定しておくものです。
このように記載しておくと万が一「死産」だった時は妻が相続する事ができます。
「予備的遺言」について詳しくは下記の記事をご覧ください。
胎児の遺産分割協議
胎児にも相続権がありますので法定相続人です。
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要になり1人でも欠けていると無効になってしまします。
胎児の場合も相続人である以上遺産分割協議が必要になってきます。
しかしまだ生まれていませんし生まれたとしても協議に参加することはできませんので代理人が必要になります。
子供の法定代理人は母親になりますが母親も相続人の1人ですので「利益相反」となり胎児の代理人になる事ができません。
この場合は「特別代理人」を選任して遺産分割協議をする事になります。
また胎児のうちに「特別代理人」を選任して遺産分割協議を行ったが万が一「死産」だった場合は遺産分割協議のやり直しが必要になりますので遺産分割を急ぐ必要が無い時は胎児が生まれてから遺産分割協議をするのも1つの手です。
「特別代理人」や「利益相反」については胎児に限った事ではありません。
相続人が未成年の場合にも必要になってきます。
くわしくは下記の記事をご覧ください。
最後に
いかがでしたか?
法律では胎児は「生きて生まれてくれば」相続人になります。
「生まれて生きてくれば」1秒でも1分でも生きて生まれてくれば相続権を有します。
遺産分割協議への参加も必要になりますし遺言書で胎児に相続させる事もできます。
通常の相続人と同じ扱いです。
是非参考にしてください。
投稿者プロフィール
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名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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