不動産の評価方法|行政書士が分かりやすく説明

相続をする時の不動産は多くの場合で大きな割合をしめます。

では、この不動産の評価方法はどうやって決めれば良いのか説明します。

不動産の評価方法は2つの考え方があります。

  • 税法上(相続税の申告をするときの評価方法)
  • 民法上(遺産分割協議をする時の評価方法)

それぞれご説明します。

税法上(相続税の申告の時の評価方法)

相続税申告をする時は以下の基準で計算します。

【建物】:固定資産税評価額

【土地】:「路線価方式」「倍率方式」

✅「固定資産税評価額」とは、固定資産税を計算する上での価額です。

固定資産税納税通知書に記載されています。

また役所で「固定資産税評価証明書」を取得して確認する事もできます。

✅「路線価方式」とは国税庁が路線価を定めている地域での評価方法で1㎡あたりの土地の価格を表したもの。
 基本の計算方法は「路線価×土地の面積」で計算します。

✅「倍率方式」とは路線価が定められていない地域の評価方法で国税庁が評価の際の倍率を定めています。
 基本の計算方法は「固定資産税評価額×倍率」により計算されます。

ただし、土地の奥行や土地の形状など様々な考慮する事項がありますので詳しくは税理士の先生に相談する事になります。

民法上(遺産分割協議での評価方法)

遺産分割協議をする時の評価方法ですが大前提として

相続人間の合意があれば価格は自由に決定できます。

相続人の中で皆が納得すればOKって事です。

極論ですが相続する不動産を100円として全員が合意するなら、それでOKです。

ただ評価額を決めるうえで何か基準があると決めやすいですよね。

以下を基準を参考にして決めるケースが多いです。

基準となる評価方法

  • 固定資産税評価額
  • 路線価方式
  • 実勢価格

この中から相続人間でどれを採用するのかを決める事ができます。

上から下に向かって評価額は高くなります。

「固定資産税評価額」「路線価方式」は先でご説明した通りです。

✅【実勢価格】とは現在実際に取引されている価格を言います。

 ただしこの価格を算出するには「不動産鑑定士」などに依頼する必要があります。
 鑑定をしてもらうのに20~70万くらいかかってきます。

簡易的な計算方法

遺産分割協議をしていく中で不動産の価格によっては相続税の対象になりそうなケースがあります。

その時に参考になる簡単な計算方法をご紹介します。

あくまで概算です。

くわしくは税理士の先生に計算してもらってください。

路線価の計算方法(概算)

【固定資産税評価額】÷0.7=【概算の実勢価格】

上記で算出された【概算の実勢価格】×0.8=【概算の路線価】

「固定資産税評価額」は「実勢価格」の70%くらいと言われているので、まず0.7で割り戻しで「実勢価格」を算出します。
「実勢価格」の80%くらいが「路線価」と言われているので0.8をかけてやると「概算の路線価」が出る考え方です。

「遺産分割協議」の時の土地の評価の目安としても使えます。

あくまでも「概算」ですので注意してください。

最後に

色々と説明しましたがザックリ言うと

【相続税の申告】:明確に規定がある(土地は路線価・建物は固定資産税評価額)

【遺産分割協議】:相続人間の合意が優先する(どのように決めるかは自由)

相続税の申告が必要になりそうでしたら税理士の先生にご相談してくださいね。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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