自筆証書遺言の保管場所はどこが良い?|行政書士が分かりやすく説明

「公正証書遺言」は公証役場で保管されますが「自筆証書遺言」の保管場所はどこが良いのでしょうか?

自筆証書遺言の保管場所として代表的なものは

  • 自宅での保管(タンス・金庫・仏壇・神棚など)
  • 銀行の貸金庫
  • 相続人・遺言執行者
  • 好意にしている専門家(士業など)
  • 法務局

詳しく見ていきましょう

自宅での保管

1番簡単なのが自宅での保管です。

「タンス」「金庫」「仏壇」「神棚」「机の引出し」等があります。

あまりにも簡単な場所ですと遺言書の効力が発生した時に相続人間で改ざんされているのではないか?など疑義が生じる場合があります。

また、分かりにくい場所に保管すると「遺言書」を見つけてもらえない可能性があります。

遺言書が遺産分割後に発見されるとトラブルの元になる事もあります。

遺産分割後に遺言書が見つかった時については下記をクリック

自宅での保管の場合は信頼できる相続人に遺言書の存在を知らせておく事をお勧めします。

銀行の貸金庫

銀行の貸金庫は紛失・改ざんの恐れがなく理想的な保管方法に感じるかもしれません。

紛失・改ざんはありませんがデメリットがあります。

相続が発生した時に貸金庫を開けるためには基本的に相続人全員の立ち合い・相続人全員の同意が必要になり手続きに時間がかかります。

また、貸金庫の存在を知らずに「遺言書」が発見されない可能性があります。

上記の理由から「貸金庫」での保管はお勧めしません。

相続人・遺言執行者

遺言執行者がいる場合は遺言内容を実現していきますので預ける場合があります。

また、信頼できる相続人(家族)に預けるケースもあります。

デメリットとしては相続人の中の1人に預けますので紛失・改ざんの恐れや他の相続人から疑義が生じる場合があります。

好意にしている専門家(士業)に預ける ⇦おすすめ

例えば「遺言書」の作成の時にサポートを受けた専門家(行政書士、弁護士、司法書士など)に預ける方法もあります。

士業は守秘義務が課せられていますので安心して預ける事ができます。

ただし、相続が発生した時に相続人が預けた専門家に連絡をするように生前に「連絡先リスト」を作成しておくと良いです。

法務局 ⇦おすすめ

「自筆証書遺言書保管制度」を利用して法務局で保管してもらう事ができます。

紛失・改ざんの恐れもありませんし相続人が法務局へ「遺言書」があるかどうか調査する事もできます。

また遺言者が希望すれば相続人の中から3人まで自身が亡くなった時に連絡をしてもらう事ができます。
(ただし、法務局が確認できた時ですので死亡届を出した時ではない事に注意してください。遅いと1か月くらいかかる場合もある様です。)

この場合も相続人に「遺言書」の存在を知らせておく事が大切です。

詳しくはこちらをクリック

最後に

自筆証書遺言は紛失か・改ざんの恐れがあり疑義が生じやすいです。

しっかりとした保管方法で管理しなければ逆にトラブルになる事もあります。

どの保管方法でも言える事ですが【相続人に遺言書の存在を知らせておく】

これが非常に大切になります。

知らせていない事が原因で発見されないケースが良くあります。

せっかく書いた遺言書ですので内容を実現できるように保管してください。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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