遺産分割協議の進め方|行政書士が分かりやすく説明

今回は「遺産分割協議の進め方」について解説したいと思います。

参考にしてください。

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは被相続人が「遺言書」を残していない場合に相続人間で遺産をどの様に分けるか話合いをして決める事です。

相続人が1人の場合や遺言書と内容の通りに分ける場合は必要ありません。

遺産分割協議では遺産の分け方を協議しますのでトラブルが生じやすいです。

遺産分割協議の進め方

では遺産分割協議はどんな手順で進めていけば良いにでしょうか。

遺産分割協議の流れ

  1. 相続人の確定
  2. 法定相続分の確認
  3. 財産の確定
  4. 財産目録の作成
  5. 遺産分割協議
  6. 遺産分割協議書の作成

一般的にはこのような流れになります。

それぞれ見ていきます。

相続人の確定

まずは誰が相続人なのかを確定させます。

確定させる方法としては被相続人の戸籍謄本(出生~死亡まで)を取得して確認していきます。

それには「法定相続人」を理解する必要があります。

簡単に説明すると

  • 配偶者:常に相続人
  • 第1順位:被相続人の子供(孫)
  • 第2順位:被相続人の父母・祖父母
  • 第3順位:被相続人の兄弟姉妹

順位の上の人が相続人になります。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

法定相続人とは|行政書士が分かりやすく説明します

法定相続人とは。 法定相続人になるのは誰なのか、どのようにして決まるのか。分かりやすく図で解説しています。

見落としやすい相続人としては以下になります。

  • 被相続人の先妻の子供
  • 被相続人が認知した子供
  • 代襲相続人

これらの人も法定相続人になりますので被相続人の戸籍謄本からしっかり確認してください。

「代襲相続人」について詳しくは下記の記事をご覧ください。

代襲相続とは|行政書士が分かりやすく説明

代襲相続とはなにか。 代襲相続の範囲・相続欠格、相続廃除との関係など 図を使用して分かりやすく説明

法定相続分の確認

法定相続分とは民法に定められている相続人の相続割合をいいます。

相続人が配偶者・長男・長女の3人の時

配偶者:1/2

長男 :1/4

長女 :1/4

この様に定められています。

相続人が誰なのか、また相続人の人数によっても変わってきます。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

法定相続分とは|行政書士が分かりやすく説明

法定相続分とは何か。 法定相続割合を表・具体例を用いて説明 また法定相続分通りに分けないといけないのか?などを説明

法定相続分は、この割合の通りに分けないといけないものではありません。

相続分の目安となるものです。(この通りに分けても構いません)

法定相続割合を基準として遺産分割協議で話合いをするイメージです。

財産の確定

被相続人が生前に所有していた財産を確定させます。

プラスの財産もマイナスの財産も調査して確定させます。

主なプラスの財産

  • 不動産
  • 預貯金
  • 有価証券
  • 骨董品、美術品
  • 自動車

など

ここで注意して欲しいのが「マイナスの財産」(借金)です。

相続は「マイナスの財産」も引き継ぐ事になります。

借金があるかどうか確実に調査する事をおすすめします。

財産の調査方法については下記の記事をご覧ください。

被相続人の財産の調査方法|行政書士が分かりやすく説明

被相続人の財産の調査方法。 プラスの財産の調査方法です。 財産の特定方法・情報機関など財産の調べ方について説明しています。

マイナスの財産(借金)の調査方法|行政書士が分かりやすく説明

マイナスの財産(借金)の調査方法 相続放棄・限定承認を検討する上でマイナスの財産の調査は重要です。 調査方法・信用機関など調べ方について説明しています。

財産目録の作成

財産の調査が終わって確定したら「財産目録」を作成します。

財産の一覧を作成して財産がどれだけあるのかを分かりやすくします。

財産目録の作成は義務ではありません。

書式も特に決まっていません。

遺産分割協議の時に相続人間で分かりやすい様に作成しましょう。

遺産分割協議

「財産目録」ができたら遂に遺産分割協議に入ります。

相続人間で「誰が」「何を」「どれだけ」取得するかを話合います。

一般的に「法定相続割合」をベースに協議していきます。

相続人間での合意があれば「法定相続割合」と全く違う分け方でも問題ありません。

1人の相続人が全ての財産を取得する内容でも相続人全員の合意があればOKです。

何も基準がないと、どう分けてよいのか分かりませんので目安として「法定相続割合」があると思ってください。

遺産分割協議書の作成

協議がまとまったら内容を「遺産分割協議書」にします。

「遺産分割協議書」に相続人全員が合意した証として「署名・押印(実印)」して「印鑑登録証明書」を添付して完成です。

作成しないと後から「そんな事いってない」などトラブルになる事もありますので協議した内容を「遺産分割協議書」に記載しておくのは重要です。

また相続の手続きをする時にも、あると便利です。

  • 不動産の相続登記
  • 銀行の相続手続
  • 自動車の名義変更
  • 有価証券の名義変更

などの手続きに利用する事ができます。

「相続人の確定」の時に相続人が漏れていると遺産分割協議は無効になりますので注意してください。

最後に

いかがでしたか。

今回は「遺産分割協議」に流れをご説明しました。

遺産分割協議は相続トラブルが1番起きやすいです。

財産目録などは作成した方が相続人間で分かりやすいですし納得しやすいです。

財産の総額がいくらで「だれが」「どれだけ」取得するのかが一目で分かります。

参考にしてください。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
名古屋市緑区、日進市、みよし市、東郷町の方も、お気軽にお問合せください。
趣味:キャンプ・バス釣り・自転車・読書
お困りごとがあれば、お気軽にお問合せください。
052-990-3860