婚前契約書を作成するメリット・デメリット|行政書士が分かりやすく説明

今回は「婚前契約書」作成するメリットをご説明したいと思います。

海外では作成する人が多い婚前契約書。

近年では日本でも作成する方が増えてきました。

最近では「大谷選手が作成した事が話題になりましたね」

是非、参考にしてください。

婚前契約書とは

以前の記事で「婚前契約書」についてご説明していますがっここでも簡単に説明します。

名前の通り「婚前に交わす契約書」です。

結婚した時の約束を書面にするイメージです。

詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

婚前契約書とは|行政書士が分かりやすく説明

婚姻前に作成する「婚前契約書」とは。 作成する必要性・どんな内容にすれば良いのかなどを説明しています。 参考にしてください。

婚前契約書を作成するメリット

ここでは「婚前契約書」を作成するメリットについて解説します。

夫婦双方の財産を守る

特に財産を多く所有している当事者が結婚する時は有効だと考えます。

【事例】

ご主人となる方の財産:10億円

妻となる方の財産:1000万円

事例の2人が結婚したとします。

法律上は婚姻前に所有していた双方の財産は「特有財産」といい離婚時の財産分与の対象ではありません。

しかし事例のようなケースではご主人は経営者など婚姻後の収入が高額である事が予想されます。

結婚してからの財産は基本的に「共有財産」となり離婚時の財産分与の対象となります。

婚姻後2年で離婚する事になり対象の2年間でご主人の収入が2億円、妻は専業主婦だった為収入は0円

この場合に2億円については「共有財産」となり財産分与する事になります。

原則は「共有財産」は1/2で分けます。

ご主人:1億円
妻  :1億円

このようになります。
※1/2での分与は原則です「協議」「調停」などで分与割合が変わる事はあります。

大谷翔平選手が「婚前契約書」を作成した事でも話題になりました。

何か冷たい感じがするかもしれませんが、ある程度の財産をお持ちの方々は「婚前契約書」を作成する事をお勧めします。

【例】

結婚してからは家族の口座を開設して双方が生活費を口座に入金し、その他自身の名義の預貯金に関しては「特有財産」とする。

こんな取決めもできます。

それぞれの稼いだ金銭は基本的にそれぞれの財産(特有財産)とします。

家族用の口座を開設してその口座に各10万円ずつ入金して生活費にして自身の口座に残っている財産については離婚時の財産分与の対象としない。

夫婦それぞれが仕事をしており収入がある場合にこのような内容を記載する事もできます。

双方の理解が深まる

「婚前契約書」は法的に決まりは有りませんので自由に内容を決める事ができます。

  • 夫婦の財産について
  • 婚姻費用について
  • 別居時の婚姻費用について
  • 離婚時の財産分与について
  • 不貞行為をした時について
  • 家事、育児について
  • DVをしない
  • 親の介護について
  • 契約違反した時の対応

主な内容は上記になりますがその他にも記載する事ができます。

これらを話合う事で双方の理解が深まります。

「相手はこんな風に考えてるんだ」など理解が深まります。

婚姻後の生活の維持や離婚の防止が期待できます。

離婚時のトラブルの防止

離婚時には財産分与・親権・養育費など色んな事を決めます。

財産分与は特に時間がかかります。

どこまでが「共有財産」なのか(共有財産は財産分与の対象となる財産)

また財産分与の割合など。

特有財産・共有財産とは|行政書士が分かりやすく説明

財産分与での特有財産・共有財産の違いや財産分与の対象となる財産について。 また特有財産・共有財産が混在するケースについて解説しています。

これらでなかなか協議がまとまらずに最悪は「調停」などに発展します。

これらの内容は「婚前契約書」で決めておく事ができますので離婚協議がスムーズに進みます。

婚前契約書のデメリット

「婚前契約書」もメリットばかりではありません。

デメリットもご紹介します。

婚姻前から離婚の事を考えてしまう。

「婚前契約書」には離婚時の財産分与の事なども記載します。

これから結婚して生活しようと考えているカップルにとって離婚時の事も考えなければなりません。

婚姻前からこんな事を考えるのは抵抗があるカップルも少なくありません。

結婚が契約に思えてしまう

「婚前契約書」を作成する事で結婚が契約に思えてしまう可能性があります。

最初から色んな事を決めてしまいますので

結婚=契約

こんなイメージになってしまい抵抗を感じる人もいます。

最後に

いかがでしたか。

今回は婚前契約書のメリット・デメリットについてお話しました。

作成するとトラブルを防止できる反面、心理的なデメリットも存在します。

作成を検討しているカップルは今回の記事を参考にしてください。


投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
名古屋市緑区、日進市、みよし市、東郷町の方も、お気軽にお問合せください。
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