遺産分割の分割方法の選び方|行政書士が分かりやすく説明

過去の記事で遺産分割の分割方法のご説明をしました。

ここでは分割方法の選び方について解説します。

遺産分割の分割方法

分割の方法には3種類あります。

  • 現物分割
  • 代償分割
  • 換価分割

それぞれについては過去に記事にしてありますのでそちらをご覧ください。

分割方法の選び方

分割方法には、それぞれメリット・デメリットがあります。

ではどのようにして分割方法を選べば良いのでしょうか?

現物分割を選んだ方が良いケース

分割方法で1番多いのが「現物分割」だと思います。

簡単に説明すると被相続人の財産をその姿のままで分ける方法です。

不動産や車などは分ける事ができません。

不動産はAさんが取得する

車はBさんが取得する

財産をそのまま取得する方法です。

不動産を一定の相続人が取得する事に全員が合意している時。

相続財産の中で「不動産」は特に大きな割合を占める事が多いです。

不動産を特定の相続人が取得すると取得財産に偏りがでます。(不動産を取得する人の割合が大きくなる)

しかし、相続人間で「あんた長男だから自宅不動産は全部取得してもOK」と全員が合意している時は「現物分割」が良いでしょう。

土地の場合には「分筆」して「現物分割」する方法もありますが土地が狭くなりますし「分筆」する事で土地の評価が下がるなどデメリットがあります。

土地が広く「分筆」しても問題なさそうな場合

先ほど「分筆」すると評価が下がったりデメリットがあるといいましたが土地が広く「分筆」しても一定の広さを保つことができ更に「分筆」後の土地の形状などの問題が無ければ「分筆」して現物分割するのも良い選択です。

元々の土地が広くない場合は「分筆」すると建物を建てたりするのが困難になる場合があり、土地の価値が著しく下がってしまいます。

また「分筆」後に土地に形状がいびつになってしまったり、道路に面していない土地が出来てしまう場合は良く考えたほうが良いでしょう。

利用価値の無い土地になってしまいますからね。

また、建物が建っている場合は「分筆」は難しいです。

どうしても「分筆」して分けたい時は建物の解体が必要になりますので「解体費用」をどうするか協議が必要になってきます。

代償分割を選んだ方が良いケース

「代償分割」とは特定の相続人が不動産などを取得して、他の相続人に代償金を支払う分割方法です。

特定の相続人が不動産を取得すると取得財産の割合に大きく差がでます。

そんな時に不動産を取得した相続人が他の相続人に対して差額を現金で支払います。

財産(不動産)を残したい場合

もう1つの方法である「換価分割」をすると不動産を売却しまうので不動産は無くなってしまいます。

ただ「相続人に誰かがそのまま住み続ける」「思い出のある実家を手放したくない」など不動産を残しておきたい場合は「代償分割」が良いでしょう。

ただし所得した相続人と代償金を受け取る相続人との間で「不動産の評価方法」についてトラブルになる可能性がありますので注意が必要です。

【不動産を取得した相続人】:「不動産の評価が低い」方が支払う代償金がすくなる。
【他の相続人】:「不動産の評価」が高い方が代償金が多くもらえる。

換価分割をした方が良いケース

「換価分割」は不動産などを売却してお金に換えてから相続人間で分ける方法です。

お金に換えてから分割するので「公平性が保たれます。」

不動産を手放しても良いから公平に分けたい

対象の不動産に誰も住まない・自宅がなくなっても大丈夫であれば「換価分割」がおすすめです。

「空き家」になってしまうと「管理はだれが」「管理費はだれが出す」など色々と大変です。

もちろん通常は所有者が管理しなくてはなりませんが、なかなか上手くいかないものです。

私自身は「空き家問題」の観点から相続した自宅は売却しました。

【デメリット】

  • いつ売れるか分からない
  • いくらで売れるか売れてからしか分からない

などのデメリットもあります。

最後に

遺産分割の分割方法は3種類あり、どれにしたら良いか迷いますよね。

色んなケースが考えられますが今回は代表的なケースを用いて分割方法の選び方についてご説明しました。

よかったら参考にしてください。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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