同性パートナーと別れる時の手続き|行政書士が分かりやすく説明

今回は「同性パートナーと別れる時に必要な手続き」について解説します。

「同性パートナーシップ合意契約書」「任意後見契約書」などの契約書によって法律婚と同等の権利義務を得る事ができます。

しかしながら様々な理由から「お別れ」をする事もあります。

法律婚も同性婚も同じですよね。

そんな時に必要な手続きについて解説しています。

是非、参考にしてください。

同性パートナーシップ合意契約の解除

現在は「同性婚」は認められていませんので「同性パートナーシップ合意契約書」などで法律婚と同等の権利義務を得る事ができます。

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同性パートナーとの「お別れ」の時はこのパートナーシップ契約を解除する事になります。

ではどのようにして解除するのでしょうか。

以下で説明します。

パートナーシップ契約の解除方法

【合意解除】

当事者双方がパートナーシップ契約の解除について合意をしていれば、いつでも解除する事ができます。

【一方からの解除】

当事者の一方から解除する場合には法律婚と同じような事由が必要になると思います。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 生死が3年以上分からない時
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

これらの要件が必要になると思われます。

また契約書に解除条件を設けている時は、その条件を満たす事で解除できます。

財産管理委任契約・任意後見契約の解除

認知症などにより財産の管理が出来なくなった時の備えて契約するのが「任意後見契約書」になります。

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これらの契約についても解除する事になります。

任意後見契約の解除方法

これは後見人が選任されているかどうかで変わってきます。

後見人が選任されていない時

【合意解除】

任意後見契約の合意解除の意思表示を記載して、公証人の認証を受ければ解除する事ができます。

【一方的な解除】

任意後見契約の一方的解除の意思表示を記載して、公証人の認証を受けた書類を配達証明付内容証明郵便などで相手方に送付する事で解除する事ができます。

後見人の選任後(後見監督人の選任後)

任意後見契約は家庭裁判所に後見人の申出をして「後見監督人が選任」されることで開始されます。

この「後見監督人」が選任されてからは解除の方法が変わってきます。

この場合は「合意解除または一方的解除の意思表示をした書面」を家庭裁判所に提出をして判断してもらう事になります。

後見契約の開始前と違い当事者双方で解除する事はできず家庭裁判所に判断を仰ぐ事になります。

相続関係

パートナーシップ合意契約書を作成しても相続権については発生しません。

そのため相続については「遺言書」「養子縁組」を利用して対応します。

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遺言書を無効にする方法

遺言書をそのままにしておくと自身が亡くなった時に遺言書に記載の通りに遺贈されます。

したがって同性パートナーと「お別れ」する時に遺言書が作成してあるときは遺言書についても対応が必要になります。

撤回する内容の遺言書を作成する

例えば「○○年〇月〇日に作成した公正証書遺言を全て撤回する」と記載した遺言書を作成します。

この遺言書を作成する事で過去に作成した遺言書は効力がなくなります。

一部のみ撤回する場合

同性パートナーに渡す事にしていた部分のみを訂正する事もできます。

○○年〇月〇日の日付で作成した公正証書遺言の第〇条の、「遺言者は○○○○(対象財産)を○○○○(同性パートナー)に遺贈する」とする部分を撤回し、「遺言者は○○○○(対象財産)を長女○○○○(相続人)に相続させる」と改める。

この様な内容の遺言書を作成すれば同性パートナーに遺贈すると記載していた部分のみ撤回されて、その他の内容はそのまま有効になります。

養子縁組の解除

同性パートナーと「養子縁組」をする事で相続権を発生させる事もできます。

パートナーと「お別れ」する時は「養子縁組」を解除(離縁)する事になります。

双方が合意している時は「離縁届」を提出する事で離縁が成立します。

離縁する事に一方が合意していない時は「調停」などで離縁する事になります。

「調停」でも合意できない時は訴えを起こして裁判所に判断を仰ぐ事になります。

最後に

いかがでしたか。

同性パートナーの契約書・遺言書などは法律婚と同等の権利義務を得るのに必要な契約になります。

しかし「お別れ」する時は先性した契約書・遺言書・養子縁組などはすべて解除する事になります。

是非、参考にしてください。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
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