遺言書が複数出てきた時の対応|行政書士が分かりやすく説明

今回は遺言書が複数発見された時の対処法について解説します。

是非、参考にしてください。

日付の確認

遺言書が複数発見された時に最初に確認して欲しいのが「作成された日付」です。

遺言書は日付は必ず記載しなければなりません。

「令和〇年〇月〇日」と記載されていなければなりません。

無効になる例としては「令和〇年〇月吉日」

このような場合は日付の特定ができませんので「無効」になります。

「令和7年2月7日」に作成された遺言書と「令和7年2月1日」に作成された遺言書が存在する時は「令和7年2月7日」の遺言書が有効になります。

簡単にいうと最新の遺言書が有効になります。

それぞれの遺言書の内容を確認

先程、遺言書の日付が新しいものが有効とお話しましたが遺言書の内容によっては異なる場合もあります。

新しい遺言書

自宅不動産は長男に相続させる。

○○銀行の預貯金は二男に相続させる。

古い遺言書

△△銀行の預貯金は三男に相続させる

□□銀行の預貯金は長女に相続させる

上記の内容の遺言書が2通発見された時は相続させる財産に矛盾がありません。

この場合は日付ではなくそれぞれの遺言書が有効になります。

逆に日付が優先されるケースは以下のような場合です。

新しい遺言書

自宅不動産は長男に相続させる。

○○銀行の預貯金は二男に相続させる。

古い遺言書

自宅不動産は二男に相続させる。

○○銀行の預貯金は二男に相続させる。

こんな内容の遺言書が2通出てきた時は自宅不動産・○○銀行の預貯金の相続について内容が矛盾しています。

こんな場合は「日付の新しい遺言書」が有効になります。

遺言書の種類で優先度はかわるのか

遺言書には以下の3種類があります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

公正証書遺言が1番厳格な遺言書ですが遺言書の種類で優先度は変わりません。

例えば

自筆証書遺言の作成日「令和7年2月7日」
公正証書遺言の作成日「令和7年2月1日」

この2通が発見された場合は日付の新しい「自筆証書遺言」が有効になります。

先に解説した「遺言書の内容」についての取扱いも遺言書の種類で変わるものではありません。

新しい遺言書(自筆証書遺言)

自宅不動産は長男に相続させる。

○○銀行の預貯金は二男に相続させる。

古い遺言書(公正証書遺言)

△△銀行の預貯金は三男に相続させる

□□銀行の預貯金は長女に相続させる

先程の例と同じ内容ですが「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2通が存在しています。

この場合でも遺言書の内容に矛盾はありませんので、どちらの遺言書も有効になります。

最後に

いかがでしたか。

複数の遺言書が存在する時は「作成された日付」「遺言書の内容」によって取扱いが変わります。

どの遺言書が有効か分からない時は専門家へ相談してください。

参考になれば幸いです。

投稿者プロフィール

【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
【行政書士】【相続診断士】 長谷川健治
名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
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