自分で遺産分割協議書を作成する流れ|行政書士が分かりやすく説明
ここでは、自分で「遺産分割協議書」を作成しようとしている人に向けて完成までの流れをご説明します。
遺言書の有無の確認
まずは被相続人の方が遺言書を作成していなかったか調査していきます。
遺産分割後に「遺言書」が発見されると面倒ですしトラブルの元です。
くわしくは下記をクリックしてください。
【自筆証書遺言の調査】
被相続人の自宅を探します。
よく見つかる場所としては
- 仏壇
- 書斎
- 神棚
- 貸金庫
- タンス
などがあります。
【自筆証書遺言書保管制度】を利用している時
自筆証書遺言書保管制度とは法務局が遺言書を保管してくれる制度です。
被相続人がこの制度を利用していれば法務局で「遺言書保管事実証明書」を請求して確認する事ができます。
【公正証書遺言】
被相続人が公正証書遺言を作成している時は公証役場で「遺言検索システム」で確認する事ができます。
遺言書の探し方について詳しくは下記をクリックしてください。
相続人調査
遺言書が無い事が確定したら今度は相続人の範囲を確定させます。
被相続人の「出生~死亡までの戸籍謄本」を取得して戸籍から相続人を確定させます。
「認知」した子がいないか・被相続人が再婚の場合は前の配偶者との間に子供はいないか等を調べて相続人を確定させます。
確定した相続人を「相続関係説明図」にして書面にします。(家系図みたいなものです)
ネットで検索するとテンプレートなどがたくさん出ていますので参考にしてください。
「相続関係説明図」は絶対ではないですが作成しておいた方がよいです。
「遺産分割協議」は相続人全員の同意が必要になるため調査に漏れがあり後から新たな相続人が出てくると「遺産分割協議」は無効となり、やり直す事になります。
相続人が確定したら相続人全員の被相続人との関係がわかる戸籍謄本などを準備します。
財産調査
今度は被相続人の財産を調査していきます。
プラスの財産(不動産、預貯金、有価証券など)はもちろんですがマイナスの財産(借金)の調査も必要になります。
マイナスの財産は「遺産分割」の対象ではありませんが「相続放棄」する上では重要な調査になります。
調査方法について詳しくは下記をクリックしてください。
マイナスの財産は民法上は相続が発生した時点で相続人間で法定相続分の割合で当然に共有したことになります。
遺産分割協議書へ「だれが」負債を負うのか記載はできますが当事者間でしか有効になりません。
債権者は相続人全員に対して返済しろと言う事ができます。
実際に「だれが」返済するのかは債権者(銀行など)との協議の上で決定します。
債権者(銀行など)からみれば相続人間でAさんが返済すると決めてもAさんに返済するだけのお金がないかもしれませんよね。
調査が終わり確定したら「財産目録」を作成します。
これもネットでたくさん出てきます。
これも絶対ではありませんが作成する事をおすすめします。
遺産分割協議
「相続人調査」「財産調査」で確定したら今度は確定した相続人間で遺産の分割について話し合いをします。
全員が同じ場所に集まって協議をする必要はありません。
電話やメールでのやり取りでも大丈夫です。
この「遺産分割協議」で良くトラブルが発生します。
遺産分割協議書の作成
相続人間で協議がまとまったらその内容を「遺産分割協議書」として書面にします。
文例などはネットで調べるとたくさん出てきますので、そちらを参考にして作成してください。
ポイントは後から見つかった財産を「だれが」取得するのかを記載しておくと良いと思います。
メインの財産は漏れる事はないと思いますが後から○○銀行に2万円預貯金が発見されたりすると「だれが」取得するか決めておかないと2万円の為に「遺産分割協議」が必要になってしまいます。
本協議書に記載のなき遺産および後日判明した遺産は、○○がこれを取得する
このような1文を記載する事をお勧めします。
完成した「遺産分割協議書」に相続人全員が実印をおして印鑑登録証明書を添付して完成になります。
「遺産分割協議書」が複数になった場合は「契印」をしておく事をお勧めします。
また相続人の人数分「遺産分割協議書」を作成した時は「割印」しておくと良いです。
押印方法は下記で詳しく説明しています。
最後に
遺産分割協議書を作成するのに大事なのは「相続人調査」と「財産調査」です。
「相続人調査」は相続人の漏れがないように。
「財産調査」はマイナスの財産をしっかり調査して後から多額の借金が発覚する事のないようにする事が大切です。
調査に関しては非常に面倒です。
専門家に依頼することも検討してみてください。
投稿者プロフィール
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名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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