なぜ相続はトラブルになりやすいのか|行政書士が分かりやすく説明
相続の時にトラブルになる事が近年増えてきているのが実情です。
仲の良い家族や兄弟姉妹でも相続になるとトラブルになってしまう事があります。
正直、相続人間でもトラブルは起こしたくないと考える人が多数だと思います。
では、なぜ「相続」はトラブルが起きやすいのでしょうか?
今回は自分なりの考えになります。
参考にしてみてください。
相続トラブルが起きる原因
ここで説明させていただく原因とは具体的な事例ではなく「根本的」な原因です。
あくまで自分が感じている事です。
トラブルになる原因
- 相続が発生するまで何もしない。
- 法定相続分の割合で分ける事が実際難しい。
- 家督相続と法定相続での考え方の違い。
- 誰に相談して良いか分からない。
相続が発生するまで何もしない。
相続の発生とは被相続人が亡くなった時を言います。
被相続人の生前は相続人も含めて何も困っていないので生前対策は何もしていないケースが多いです。
被相続人の方が存命の時に相続の話をするのも実際は気がひけますよね。
多くの場合では相続が発生してから相続の事を調べていきます。
被相続人の方が亡くなると本当にたくさんの手続きが必要になりますし葬儀などもしなくてはなりません。
そんな中、相続財産についても考えなければなりません。
被相続人の生前に遺産分割などを話合う機会があればトラブルを未然に防ぐ事ができるかもしれません。
法定相続分で分ける事が実際難しい。
相続では「法定相続分」が決められています。
様々なケースがありますが相続人が配偶者と子供2人であれば
配偶者1/2 子供A1/4 子供B1/4
が法定相続分になります。
ただし「法定相続分の割合」で分けても構いませんが「法定相続分」を目安にして「遺産分割協議」をする事が多いです。
相続財産には不動産のように割合で分ける事が困難なものがあります。
「法定相続分」を目安に分けようとしてもどうしても相続人の中で法定相続分よりも多く相続する人と少なく相続する人がでてきます。
法定相続分より少ないと、納得できなくてトラブルに発展する事があります。
家督相続と法定相続での考え方の違い
現在は「法定相続」で相続されますが以前は「家督相続」という相続の方法でした。
家督相続とは
家督相続とは
昭和22年頃まで存在していた相続方法です。
「家を継がせる」イメージです。
「戸主」といわれる家の代表者から次の家の代表者(主に長男)に全ての財産が相続されます。
「戸主」の死亡時だけではなく「戸主」が隠居するから長男が相続するといった方法もありました。
現在でも年配の方の中には「家督相続」の考えが残っています。
80代以上の方が「家督相続」の世代ではありますが「法定相続」が定着するまでは、80代以下の世代の人達にも影響を与えています。
このような事情から相続が発生した時に現在の「法定相続」と以前の「家督相続」の考え方がぶつかってトラブルになってしまう事も多いです。
誰に相談して良いか分からない。
相続については様々な専門家がいます。
- 弁護士
- 税理士
- 司法書士
- 行政書士
それぞれ相続について相談できますが「どの士業に相談すれば良いのか分からない」という声を耳にします。
正直、どの士業の先生でも大丈夫です。
ただし「相続を専門」にしている事務所へ相談すると良いと思います。
相続の手続きに関していえば
税金は税理士、不動産の登記は司法書士などになりますがそれは「手続き」の話であってトラブルを回避する方法をアドバイスしてくれるかどうかは別問題です。
「相続専門」の事務所への相談をおすすめします。
相続トラブルを防ぐ生前対策
では、相続トラブルを未然に防ぐ方法はないのでしょうか?
ここでご説明します。
エンディングノート
エンディングノートには「法的効力」はありませんが何でも自由に書く事ができます。
自分の人生を振り返りながら「大切な家族への感謝の気持ち」「延命治療の有無」「葬儀はこうして欲しい」など何でも自由に書く事ができます。
財産の分け方についても記載できますし、また「どうしてこのような分け方にしたのか」気持ちを書く事ができます。
相続人の方達も被相続人が決めた配分で何故こうしたのか分かるとトラブルになりにくいです。
ただし先に書きましたがエンディングノートには「法的効力」はありません。
「エンディングノート」を作成して自分の人生を振り返りながら財産の配分をきめて「遺言書」を作成する事をおすすめします。
遺言書
遺言書はエンディングノートと違い「法的効力」があります。
遺言書に書く事が出来る内容は限られていますが「エンディングノート」と併用する事で相続人の方達に多くのメッセージを残す事ができます。
遺言書は基本的には財産を「だれに」「なにを」「どれだけ」相続させるかを書きます。
それ以外に法的効力はありませんが「付言事項」といって家族へのメッセージ等を書く事ができます。
「付言事項」は積極的に活用した方が良いと思います。
「エンディングノート」も「遺言書」もそうですが、自分の家族への想いやメッセージを伝える事は非常に大切です。
「遺言書」で財産の分け方だけが記載してある場合と比べて
付言事項やエンディングノートで「親父はこんな思いだったんだ」「こんな思いから財産を分けたんだ」と相続人の方達にメッセージを伝えるのでは全く違った「遺言書」になります。
最後に
いかがでしたか。
相続トラブルの起きる原因はざまざまです。
今回は私が感じている「根本的」な原因を記事にさせていただきました。
これを読んだ人に「遺言書」「エンディングノート」の大切さが分かってもらえたら嬉しいです。
是非、参考にしてみてください。
投稿者プロフィール
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名古屋市天白区平針の【遺言・相続専門】行政書士アフェクション法務事務所の代表行政書士です。
【相続診断士】の資格も保有しております。
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